私たちが生き残る道

ここで私たちの業界に目を向けてみましょう。今後、ソフトウェアのエンジニアが不幸にならない為、つまり、生き残る為には、何をしなくてはならないのでしょうか?

本来、企業のIT戦略、IT投資は、経営の根幹を担う極めて重要なテーマです。つまり、企業向けのシステム開発で真に優秀なエンジニアたるには、経営者と対等の知識が要求されます。消費者をターゲットにしたソフトウェアであれば、消費者のニーズ、マインドやマーケットに対する知識は不可欠となるでしょう。

裏を返せば、システム開発に関する専門的な技術に長けているだけでは、真に優秀なエンジニアとしての要件を満たし得ないということです。さらには、専門的な技術力しか持ち合わせていなければ、裾野が広い上に急速に変化する技術分野であるが故に、いずれ年齢的な限界に阻まれるでしょう。

一方、真の優秀なエンジニアの職域は、オフショアという言葉を脅威とする職域とは完全に一線を画すでしょう。ところが、既にオフショアが進んでいる、あるいは今後オフショアが考えられる職域は、仮にオフショアの流れが一時停滞したとしても、遅かれ早かれ製造業の空洞化と同じ道をたどるでしょう。

当社は、今後も決してオフショアの脅威にさらされない、つまり、システム開発の一ラインという枠に組み込まれるに留まらない職域で勝負できるエンジニアを育成することを目的として、社内ビジネス塾を開催しています。エンジニアから経営幹部へのキャリアパスを進むもよし、生涯現役のエンジニアとしてキャリアを全うするもよし、そのような選択が十分可能なスキルで自己武装できるエンジニアであれば、弱肉強食の格差社会を確実に生き抜いていけるでしょう。